独自にデザインされたバーチャル空間を BGM とともに楽しむ A Number From the Ghost
ただの雰囲気重視コンテンツではない
今回ご紹介するのは、A Number From the Ghost という個人制作の体験型ウェブコンテンツです。
ビジュアルはどこか夢の中を思わせる独特な空気感で描かれます。そこに印象的な BGM が組み合わせられることで、より世界観が際立っているかんじですね。
一見すると、かなり個性派と言いますか、演出重視なオシャレコンテンツっぽいように見えるかもしれませんが、技術的にもいろいろ工夫が凝らされていてそういう意味でも見ごたえがあります。
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エフェクトの掛け方もおもしろい
今回のサイトはなにかの商品やサービスのプロモーションではなく、映像と音楽を楽しむためのコンテンツという感じで作られています。
肩の力を抜いて、ちょっとした短いゲーム作品をプレイするような気持ちで触ってみるというのが良さそうに思えます。
結構しっかり音が鳴るのと、音が鳴るのとそうでないのとでは体験がかなり変わってくるように感じますので、BGM に集中できる環境で触ってみることをおすすめします。
コンテンツのはじめは、ネオンの光も美しいエントランスのような部屋から始まります。
WASD 等のキーで歩き回ることができるほか、マウスカーソルを使って視線を操作することができます。
ベイクを駆使して演出された空間の雰囲気もさることながら、ポストエフェクトを使った演出もかなりこだわりが感じられる内容で、WebGL 実装としては見た目以上に技術面でも凝った感じになっています。
明確なストーリーが語られるようなことはありませんが、いくつかのシーンはローディングを挟んで別場面として描かれます。
部屋を抜けたあとのシーンでは、広大な空間をただ落下していくだけ、という印象的なシーン構成になっている部分も出てきます。
この落下していくシーン、ポストエフェクトがマジで凝っていて他では見たことがないような演出が実に見事ですね……
まるで劣化した JPEG を思わせる不思議なエフェクト、RGB ディストーション、モザイク処理など、そのパターンも豊富です。
音楽に合わせてリアクティブにエフェクトの強度が変化するような場面もあり、イロモノかと思いきやしっかり作り込まれた見事な実装に仕上がっていると思います。
こういう主張の強いコンテンツって、なんかバランスが上手く取れていないというか、ビジュアルに偏重していたりデザインに偏重していたり……キレイにまとめきれていないケースが多い気がします。
その点、今回のサイトの場合はかなり丁寧に作り込まれていて、その世界観、BGM、WebGL の演出面まで、抜かり無く丁寧に実装されています。
時間の無いなかで急いで視聴するのは本当におすすめしないというか、時間と気持ちに余裕のある状態で、まったり急がず体験してみることをおすすめします。
ぜひチェックしてみてください。